図書館

レポート

図書館

何かのきっかけで読んでみたくなった本を図書館で探し借りて読む。具体的な目的を持って図書館をよく利用する。そういう目的を持たないで、図書館という本がたくさんある施設の中を散歩するように歩いたらどうなるか、楽しめるのかを実験してみた。

やってみたこと

蔵書も多くて広い千代田区の日比谷図書館で、森林の散歩のように歩いてみた。

2階にスタッフおすすめ図書のコーナーというのがあった。30~40冊くらい、たぶんいろんなジャンルの本が並べてある。ぐるっと回ると気になる本があった。手に取ってみた。インド料理の本はなんかできそうだなあと感じた。

その並びに雑誌コーナーがあった。華やかでないマイナーな専門誌の方が気になり、ざっと眺めるた。『道路』、『油空圧技術』、『物価資料』とか、興味からかけ離れすぎた雑誌タイトルが気になった。中も見てみたけど、興味は持てなかった。狭くて深い世界があることが面白く感じられた。

なんとなく歴史コーナーに行った。なんとなく2冊手に取り閲覧席で実際に読んでみたがはまりそうになく戻した。

なんとなく歴史コーナーへ行ったのは、歴史に興味があるはずで歴史の本を読んだら楽しめるかもと思ったからだと気が付き、再び散歩するつもりで歩き始めた。

映画の棚で『映画を聴きましょう』という本が目に留まった。”映画を聴く”とは何だ?、細野晴臣さんが書いている。これは読みたいと思い読んでみた。気になる箇所だけのつまみ読みだが楽しく読めた。

畜産コーナーで『バターの本』が目に留まった。美味しそうだった。バターが食べたくなった。

食エッセイという棚で『こぽこぽ、珈琲』というタイトルが気になり手に取った。村上春樹さんのエッセイを読んだ。同書のその他のエッセイも、おいしい文藝シリーズも読んでみたいなと思った。

小説コーナーで『ナラ・レポート』のタイトルが目に留まり取り出すと本の雰囲気にも惹かれ読んでみた。冒頭のところがすっと入ってくるように読めた。同じように『小さいおうち』もそのうち読んでみたい候補になった。

いろいろとチラシが並んでいた。ブックデザイン展と凹版切手展に興味を持った。行ってみたいと思った。

3時間ほど散歩した。

楽しめたこと

  • 静かで快適な空間で散歩できたこと
  • 気になるタイトルや表紙の本が見つかること
  • 何か見つかるとより楽しく散歩できること
  • 偶然見つかった本をのめり込んで読めたこと
  • やってみたいことを見つけられたこと(料理を作る、バターを食べる、気になる本を読む、展覧会に行く、など)

やってみてわかったこと

  • 偶然本が見つかり、その本を興味を持って読めること。
  • 読んでみたい本がまだまだたくさんあること。
  • 自分が自覚している興味はほんの一部かもしれないということ。
  • 便利さがいろんな物事を見えなくしているかもしれないということ。

本の前を歩いていると、突然気になるタイトルと焦点が合う、という感じで本が見つかる。そのタイトルは何かが気になるので、それが何か、それはどういうことなのかを知るためにその本を興味を持って読み進むことができる。子どもが見たことのないおもちゃを手にしたとき、見て触って理解してあそぶのと同じように。

好きな作家の小説ばかり読んだり、その時の興味に関連する本ばかり読んでいる。ところが関心のなかった作家の小説や、遭遇することのなかった本で読んでみたいと思える本がたくさん見つかった。自覚していたもの以外の自分の興味が可視化されて、その時の興味のすべてのように思い込んでいるものはほんの一部かもしれないということに気が付いた。

最近は検索システムでキーワード検索して探した本を読んだり、探した本の関連書籍としてシステムがリコメンドした本を読んだりすることが多い。つまりキーワードで絞り込まれた本にのみ遭遇できていて、キーワード化できていない頭の中のもやもや(している興味)に該当する本には遭遇することはない。ところがたくさんの本のタイトルを目の前にすると、頭の中のもやもやした興味で脳内検索され、該当するものが抽出されているような気がする。

便利な検索システムに頼りすぎて、フィルターすることで勝手に視界を狭くして、大部分が見えないようになっていた。スポーツ観戦をずっと双眼鏡でみてるような。

図書館のあそび方

  • 楽しんでやろうと意気込まない
  • リラックスする
  • 本棚の前をゆったりと歩く
  • 背表紙のタイトルを眺めてみる(一つ一つ正確に読む必要はなく、文字を流し見るように)
  • 気になったタイトルの本を手に取って読んでみる

備忘録

スタッフおすすめ本のコーナー

『物語のある絶景』谷瀬の吊り橋に行ってみたい

『南インド料理店総料理長が教える だいたい15分!本格インドカレー』作ってみたい

『質問』考えられそう

雑誌棚

『道路』、『油空圧技術』、『物価資料』なんてマニアックなんだ

『日経デザイン』物欲が刺激される(Gulliver Frame、MY G-SHOCK、ぺんてるエナジージェルブラックカラーズコレクション)

歴史棚

初級編みたいなのを読みたい(重厚なのばかり)

映画関連棚

『映画を聴きましょう』(細野晴臣)ジャック・タチの「僕の叔父さん」、ミレニアム三部作のスウェーデン版(ハリウッド版でなく)、「赤い影」を観たい

畜産関連コーナー

『バターの本』本の作りが面白い。バター食べたい(みてるだけでヨダレが。。)

食エッセイ棚

『おいしい文藝 こぽこぽ、珈琲』ラム入りコーヒー飲んでみたい

ミステリー特集の棚

『ロートレック荘事件』反省からあえてのミステリー小説

小説の棚

津島裕子「ナラ・ノート」中島京子「小さいおうち」読んでみたい

チラシコーナー

印刷博物館の世界のブックデザイン展、切手の博物館の美しき凹版切手の世界展、行ってみたい

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