結婚を機に三社祭で神輿を担ぐようになりました。3日間、町会の人と同好会の人で代わる代わる神輿を担ぎます。
町会神輿と本社神輿があり、前者は、金曜日、土曜日、日曜日の3日間、各町会内を、後者は三つの神輿が日曜日に各町を順に渡御します。本社神輿を担げるのは自分の町を渡御する時だけということもあって、その時はたくさんの担ぎ手が集まります。
神輿を担ぐのは肉体的にきついです。担ぎ棒が当たる肩は痛く(猛者はこぶができていて、そうなると痛くないそうです)、重さに耐える全身の腱と筋肉はヒリヒリします。でも、どんなにきつくても終わってみるとよくわからない充実感があります。担いでいる時は声をだしてしまっています。声をだすと踏ん張れる。隣で控えている担ぎ手は励ましてくれます。心身ともにギリギリのところでも自分の声や励ましの声でこらえられます。特にそういう時はゾーンに入っているとか、ハイになっているなどという、それ自体を楽しんでいる状態になっています。とにかくクタクタになります。どんなスポーツにもないクタクタ感です、たぶん。
祭りの翌日に仕事で初めてあった人は三社祭があったことさえ知りませんでした。「へぇ、お祭りがあったんですねぇ」という言葉を聞いてなんだかもやもやしていました(結婚前はそんな感じだったわけですが)。祭りのあった台東区と職場のある江東区が見えるくらいスーッと俯瞰してみると、あの祭りのど真ん中で、なんなら世界の中心でワッショイしてるくらいの気分の人とそれをまったく知らない日常を過ごす人(あちら側とこちら側)、祭りの賑々しさといつもの職場、祭りの最中と祭りのあと、みたいな違いをサーっと感じ、飛び込んでみて初めて知ったあちら側の世界を知らないままだったかもしれず、嗚呼なんでもとにかくやってみるべし、とあらためて思うのでした。