NOT GUTTERでリソグラフを体験させてもらった。
リソグラフとは、理想科学工業が開発・生産する印刷機のことで、プリンタ内で生成した版を元に標準の16色のインクで印刷できる。複数の版を重ねて印刷することで、多色刷り作品も制作できる。
写真、描画ソフトで作成したイラスト、デジタル化した手書きのイラストなどでリソグラフの版を製版することができる。アナログの版画と違って版の元となるイラストを反転させて作る必要はない。NOT GUTTERには同時に2色印刷できるプリンタがあり、2色刷りのリソグラフ印刷を体験してきた。
やってみたこと
版の元になるデータを作成する。
- グルーガンで描いたイラストをスキャンして1版目の元データを作成
- 2版目の元データとして背景のイラストをAdobe Frescoで作成
2つのデータを作業用PCに取り込み黒一色のデータに変換(黒一色のデータを作成していれば変換作業は不要)。
作業用PCからプリンタへデータを取り込み、2つの版を製版する。
2版の色を指定し、試し刷りする。
2版目の背景の色を調整する(元データ修正→再製版→試し刷り)。
2つの版で2色刷り印刷をして完成する。
楽しめたこと
- 印刷された状態を想像しながら版の元データを作成すること
- 印刷される色の出方
- 色の重なり
- 刷ってみないとわからないところ
- 刷った絵の雰囲気
やってみてわかったこと
- すでにある絵やイラストでも楽しめる
- 刷ってみないとわからない
- 『色』、『色の濃淡』、『紙』の組み合わせであそべる
- 版の重なりがおもしろい
- 偶然や失敗がおもしろい
リソグラフをひとまずやってみるにあたって、新たに描き起こす必要はなく、既にある絵を版にして刷ってもいいし、その版に違う絵を重ねて刷ることもでき、ありものの絵でも十分楽しめる。
リソグラフで刷るとグルーガンで描いた立体的な絵がペタッとした感じになったり、濃淡で印象が変わったり、実際に刷って出る想像通りでない感じがおもしろい。
色・濃淡・紙で何通りもの組み合わせの印刷ができる。色はインクを変えるだけ(基本の16色)、濃淡はデータの調整で、紙はトレイにセットするだけでよい(取り込めればクラフト紙、わら半紙、画用紙などなんでも)。
手書きの絵で塗り重ねるのと違って、フラットな(無機質な?)感じで淡々と色が重なる感じもよい。
2つの版がずれたり、重なったり、違うデータを重ねたり(失敗)して偶然の印刷もおもしろい。
リソグラフ印刷は版画みたいで版画より手軽で、版の元の絵を描く、いろんな設定で刷ってみる、刷られ出てくる絵を楽しむ、とどの工程もおもしろい。ひとまず持っている絵でいろいろ試してみたい。
自分で刷れる場所